|L.O.B EP: 0|

0 / 虚我の境界を超える End_of_Mebius

 ――――そうして自分は、大切なモノを何も守れなかった。

 大気は歪んでいた。
 空気が脈動し、吸い込んだ酸素が肺を黒く汚す。
 こびり付いたのは、タールのように粘っこい泥だ。
 気持ち悪くて、胃の中にあるモノを全て吐き出した。
 何度見ても慣れない――――世界が終わる瞬間は。
 屍の山で埋め尽くされた荒野。真っさらな地面に、地平線まで広がる臓物と肉片。
 そして。
 「凛…………!!」
 物言わぬ体となってしまった遠坂凛の体。
 それだけではない。辺りには見知った顔が並んでいた。
 一緒に飯を食った。まともに機能を果たしていない前線基地で、それでも、と思い渾身の料理を作った。材料もほとんどあってないようなもので、大根の葉があれば上等。どろどろに汚れた粟や稗が当たり前の中、自らの知識をフル動員して作った。皆笑っていた。命が削られる本当にギリギリの戦場の中で、馬鹿みたいに笑った。
 その中に、更に昔から見知った人達が居た。
 遠坂凛、間桐桜、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト、ウェイバー・ベルベット――――そして、衛宮士郎も居た。
 全員、死んだ。
 それもまともな死に方ではない、人の形をしている方が珍しかった。まるで組み替え可能な人形を、子供が出鱈目な遊び方をしたように、手足があちらこちらに散らかされている。ソレを考えれば、目の前の死体は十分に人としての死に方をしていた。
 馬鹿馬鹿しい。何の冗談だ。引き攣るような自嘲の笑みを浮かべた。
 世界を救うと息巻いて。これ以上人が死ぬが嫌だと、そう自分を納得させて。それが理想だと。間違っていない自分の理想だと信じて。

 ――――周りの人間を、そんな独りよがりの理想(モノ)に、巻き込んで死なせてしまった。

 これで世界を救えたなら、まだ大義名分はある。世界を救ったという結果。それさえあれば、誰かが自分を理解してくれる。あの犠牲は必要なモノだったと。自分が必要悪になろうとも、それは十分に想像の範囲内で、覚悟の内だ。
 だが、それは出来なかった。
 そうだ。
 仮に世界に破滅の危機が訪れて、人々を守る正義の味方が現れて。成功率は1%しかなくて。
 もちろんタイムリミットもある。残り十秒。カウントダウン開始。さぁ、どうなる。
 物語の中では、当たり前の展開。最早語り尽くされた王道。
 ヒーローは、その中で世界の危機を救う。
 出鱈目な数の敵軍。強大な力を持つ化け物。世界を滅ぼす力を持つラスト・ボス。圧倒的なまでに不利な確率の壁。
 人々を守るヒーローは、それらを問答無用で突破する。それを仲間や絆とか、奇跡とか、複合的要因が絡み合ったモノだったとしても。
 だけど。そんなものは全部後付だ。
 『世界を救った』『世界を救える』そんな大義名分を以て、正義の味方は真に正義の味方たる。
 なら。

 世界を守りきれなかった正義の味方は、一体どうすれば良いのだろう。

 最終決戦の前夜、凛はこう言った。
 『アンタは何も悪くないわよ。何をぐちぐち悩んでいるか知らないけど、今はやることやるだけよ。もし失敗して世界が滅んだとしても、それはアンタが悪いんじゃない。やることやって、ソレが駄目ならさ。それはさ、ただ単に、私達の運が悪かっただけなんだから』
 そんなことで、納得できるはずがなかった。あの日、あの時、自分が約束した正義の味方は、世界をこのような惨状にしないために存在するというのに。
 自分が正義の味方だというのなら、目の前の惨状はどう説明する。惨たらしく大地に横たわる屍が、どうして地平線を埋め尽くすように存在する。
 どうして、この腕の中で、遠坂凛が物を言わぬ体になっているのか。

 「俺は」

 ――――どうして、世界は滅びようとしている。

 「俺はっ!」

 答えは、簡単だった。

 「俺は、正義の味方に、なれなかった…………っ!」

 右腕が砕け、左肘から先が切断され、両足は何かに飲み込まれたかのように、ばっくりと消滅し、左目から血の涙を流しながら、衛宮士郎は、そう吼えた。
 もうほとんど力が残ってない故か、その声はか細く、しかし確かな咆吼として空気を振るわせた。

 「――――否。お前は、確かに正義の味方だったよ」

 その咆吼に応えるように、世界の敵≠スる神の下僕が、邪悪な笑みと共に告げた。
 「言峰………綺礼っ!!」
 魔力もなく、体力も何も残っていない士郎は、ただ睨むことしかできない。
 その様が気に入ったのか、言峰綺礼はくく、と喉を鳴らした。
 「実際、お前はよくやった。全ての偶然と必然を超え、この私の喉元に切っ先を突きつけるに至った。流石に焦ったぞ、衛宮士郎よ」
 言葉とは裏腹に、それが楽しくて堪らないという風に口元を吊り上げる。
 「だが、それもここまでだ。お前はまた失敗した。結局何も救えず、世界の敵たる私を倒すことが出来なかった」
 宣誓のように綺礼は右腕を上げる。
 ご、と背後から沸き上がるのは全てを飲み込む闇色の泥。
 黒柱の中心にいる何か≠ェ、おぉんと嘶き、その存在を主張する。
 嘶きが空間を振るわせ、黒き闇が大地を駆けめぐり、地平線の彼方まで漆黒に染めていく。
 飲まれていく屍。沈んでいく大地。その泥は何もかもを飲み込み、虚無へと還元していく。
 それは物質的な意味と同時、概念的な意味も兼ね備えていた。
 消滅するのは地球であり、次元である。振動は概念の壁を越え、次元震を揺り起こす。

 ――――世界が崩れる音が聞こえる。

 ずぶり、と埋もれていく感覚が全身を襲う。
 「またか……! また、お前は……」
 「否」
 「!?」
 黒壇に染められる全ての中、士郎の目が驚愕に見開かれる。
 邪悪な笑みは突然鳴りを潜め、ひたすら表情が平坦になっていく。谷も山もなく感情が、どこまでも平坦に成らされていく。それは最早人間の出来る表情ではなかった。何も見ず、何も捉えていない。それは本当の無&\情だった。
 ふぅ、と息を吐く。
 「正直、もう飽いた。幾多の世界を渡り歩いてきたが、一通りの絶望は喰らったよ。このままでは、いつまで経っても二番煎じだ。最早、喰らうに値しない。よって――――」
 文字通り、子供が玩具を放り捨てるような口ぶりで、言峰綺礼は吐き捨てた。
 「よって、もう全てを投げ捨てる。聖杯も、世界も、――――この私すらも、投げだそうと思う。良かったな、衛宮士郎。つまり、こういうことだ」
 その時、平坦だった表情が変わった。抑えきれないという風に、口端が微かに歪んだ。それは間違いなく――――どうしようもないほどの悦楽≠セった。
 そうして告げる。衛宮士郎にとって、致命的な言葉を。
 言峰綺礼は、今、断頭台の紐を。

 ――――その手で

 「結局お前が何もしなくても(・・・・・・・・・・・・)、この私は倒れ、消滅する、ということだよ」

 引いた刹那。
 士郎の顔が、ぐちゃぐちゃに歪んだ。

 「は――――はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!
 それだ!! 私はその顔が見たかった!! そんなに悔しいか!!! この私にとどめを刺す事が出来ないのが、そこまで悔しいか!! そうだよなぁ、世界を蹂躙し、人間をドロドロになるまで殺し、お前の人格・信念・友人・恋人・親兄弟に至るまで、全てを踏み砕いたこの私を! 自らの手で殺したかったよなぁ!! ――――だからお前は面白い。これまで幾千、幾万の表情を見てきたが。今のヤツは特別だったぞ。貴様を選んで正解だった。その歪み、実に美味だ」
 ずぶずぶと世界が沈む。深淵の、深淵の、更に深く。虚無の果て、忘却の奥底へと。
 「これから我らが一体どうなるのかはわからん。無限に連なる世界が全て崩壊したその先。存在そのものが消滅し、虚数の海に散るか。それとも、どこか全く別の世界にでも辿り着くのか。はたまた根源にでも至るか。
 ――――まぁ、どれでも大差ない。もし私≠ニいう自我が在り続けるとするならば、そこで絶望を喰らい続けるだけだ」
 文字通り世界を滅ぼした邪悪が、口の端を歪めて。

 「ふ、ふふふ、はははぁっ―――――――――――――――ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 狂ったように嗤った。
 その身を背面に投げ出し、漆黒に沈みながらも、哄笑を続けた。
 偽善も信念も理想も何もかもを剥ぎ取られた士郎には、原初の感情、己の中にずっと潜んでいた歪みに歪んだ闇しか残されていなかった。
 ―――世界のことなんて、どうでもいい。ただ自分から全てを奪った言峰綺礼を、この手で殺したかった。その欲望のままに、周りの人を巻き込んで―――

 『子供の頃、僕は正義の味方に憧れていた』
 『まかせろって、爺さんの夢は』
 『ああ────』

 ―――安心した。
 自らに残った僅かな残り滓が、心の奥底で微かに吼えた。それが心の中に何層にも積み重ねられた防壁を全て突破しつくし、衛宮士郎の心を抉った。
 その痛みが。
 消えていく意識の中、最後の力を振り絞らせた。

 「ぅあぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアア嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!!!」

 世界を貫くような咆吼は、世界を嘲る哄笑と混じる。何もかもが沈んでいく中、それはまるで世界が叫ぶ、泣き声のようだった。

 新暦81年4月8日 ミッドチルダ ザンクト・ヒルデ魔法学院

 昼。天気は快晴。
 ―――風が気持ちいいな。
 そんなことを思いながら、ヴィヴィオ・タカマチはポニーテールの髪を揺らしながら、学院の玄関口を歩いていた。
 今日は始業式。授業は無く、昼で下校だ。たくさんの子供達が、今日の予定を話し合いながら、学院の門へと向かっていた。
 ヴィヴィオもその例に漏れず、友人達と歓談していた。今日はどうしようか。中央まで出張ろうか? いやいや此処はピクニックでしょ。ヴィヴィオんちで遊ぶのも悪くないよね―――などなど。
 そんな中で、ヴィヴィオは気付いた。門の前で人だかりが出来ていた。その様は正にお祭り騒ぎと呼ぶに相応しい。よくよく見てみると、生徒だけでなく先生までいる始末だ。
 肩を竦めて耳を傾けてみると、サインとか握手とか写真とか、そんな言葉が乱れ飛んでいる。
 ―――またか。
 「ねぇねぇ、ヴィヴィオ。まさか、あれ……」
 「大変だね。シーズン事の恒例行事とはいえ」
 「あははは、もう慣れたよ。ごめんね、ナリーちゃん、キョーコちゃん。今日の予定は、もう決まっちゃったみたい」
 「はいはい、さっさと行ってきなさいよ。―――最強のお母さんが待っているんだから」
 その言葉に苦笑しながらも、ヴィヴィオは二人に手を振りながら駆け出した。
 門に行く。
 近づくと更に壮観だ。人っ子一人通れやしない。これでは帰ろうとしても帰ることが出来ない。現に何が起きてるのかよく分かっていない生徒達が、周りで立ち往生している。迷惑極まりない。
 そのことに呆れつつ、ヴィヴィオは人だかりに向かって、いつものやつ(・・・・・・)を決行する。息を大きく吸い。

 「おかぁさぁ―――――――――――――――ん!!!」

 叫んだ。
 ピタ、と時間が止まった。喧噪は止み、一瞬だけ静寂が訪れる。それは嵐の前の静けさだった。降着が訪れた。何秒経ったのか。渦中の人を取り囲んでいる人垣全員がごくりと固唾を呑んだ。いつものことだが、正直この瞬間には慣れない。緊張で死にそうになる。
 どうしようもないほどの長い二秒半が流れた後――――遂に防波堤が決壊した。

 「ヴィヴィオ―――――――――――――――!!!!」

 どざざ、と人垣が割れた。まるでモーセの十戒だ。――――一体、どっちがモーセなのだか。
 そんなことを思いながら、ヴィヴィオは人の波の先に居る人を見た。
 黒いサングラスをかけ、スポーツキャップを被るという粗末な変装をした、高町なのはと、似たような格好のユーノ・スクライアが其処にいた。
 「ああ――――やっぱり」
 はぁ、と溜息を吐きながら、ヴィヴィオは『なのはお母さん』の元へとゆっくり歩いていく。
 そして、ピタ、と目の前で止まり。
 「もう。わざわざ学院に来なくてもいいって、いつも言ってるのに。どうせ来るなら、ちゃんと変装してきてよー。お母さんとユーノさんは有名人なんだから、そんな中途半端な格好じゃ、すぐ見つかるってば」
 何度口にしたか分からないことを言った。なのはは気にした素振りはせずに、あははと笑い。
 「ほら、だから言ったでしょ、なのは。大人しく家で待ってようって」
 とユーノが言った。
 「だって、なるべくヴィヴィオと一緒に居たいし。漸く取れた休みだしね」
 そして、くるっと周りを見渡し。
 「お騒がせして、申し訳ございませんでした!」
 満面の笑みで、頭を下げた。釣られたように周りの人々も頭を下げた。
 「さて、行こうか。ユーノ君、ヴィヴィオ」
 ヴィヴィオとユーノはなのはに手を引かれ、そのまま歩き出す。
 ――――はぁ、全く反省していない。
 ふとユーノを見ると、『諦めなよ』と言わんばかりに肩を竦めて笑っていた。
 「まぁ、これがお母さんの良いところなんだし。ユーノさんも、そういうところが好きなんでしょ?」
 「ば、何言ってるんだよ! ヴィヴィオ!」
 これだ。付き合って何年経つのか。はやてさんやシャマルさんがヤキモキするのも分かる。
 苦笑しながら、歩く。もうちょっと、クロノさんやエイミィお姉ちゃんのように、こうすっぱりとはいかないものだろうか――――
 そんな、取り留めもないことを考えていると。

 次の瞬間。
 どうしようもない不安が、胸の内に沸き上がった。

 「っ――――!!」
 がくん、とヴィヴィオの膝が折れ、そのまま地面に手をついた。頭の奥底で、ヴィヴィオの超感覚が捉えた何か≠ェ、悪寒を引き起こし、ありとあらゆる感情を掻き回す。
 「ヴィヴィオ!?」
 「ちょっと、どうしたの? ヴィヴィオ、ヴィヴィオ!」
 ――――お母さんが何かを言っている。ユーノさんが何かを言っている。早く、言わなきゃ。大丈夫だよって。
 だが、ヴィヴィオにはどうしようもなかった。感覚が暴れ狂い、返事もまともに出来ない。
 頭の中がシェイクされる。圧倒的な感覚が、自分を包む。何も考えられない。
 その感覚は――――恐怖と呼ばれるモノだった。

 「何かが、来る…………!!」

 虫の知らせ≠ニいう現象がヴィヴィオに、痛いほどの警鐘を打ち鳴らし続けた。

 新暦81年4月8日 ミッドチルダ 聖王教会本部

 カリム・グラシアが机に向かって、筆を走らせていた。大量に積み重なっている書類を見る。だが、そんなものは慣れたものだ。何年も何年も、同じ仕事をやっていれば、嫌でも慣れる。
 ――――良いことなのか悪いことなのか。
 そのことに苦笑しながら、カリムは筆を走らせ続けた。
 このままこの仕事を終わらせた後、軽い食事を取る。その後、次元管理局の本部に行って騎士団と陸戦魔導師の一部統合に関する会議に出席する――――
 今日のスケジュールを思い浮かべながら、一区切りとなる書類にサインを――――

 しようとした瞬間。
 カリムの魔力が暴発した。

 「え、え? えええええええええ? これは、一体――――!?」
 困惑するカリム。魔力光が辺りを照らす中、ばらばらと紙片が部屋中を舞う。それは幻想的で、しかし同時に、どこまでも有り得ない光景だった。
 カリム・グラシアの稀少魔法(レアスキル)――――預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)が発動していた。
 何百に至る紙片が狂ったように踊っていた。魔力が暴走している。押さえ込むことが出来ずに身を捩る。五感が肥大化し、どうしようもないほど圧倒的な感覚が、全身を包み込む。息すらまともに出来ない。
 「は、あぁあ、く――――」
 耐えきれなくなって、床に倒れた。それでも何が起きているのかを理解するために、しっかりと目の前を見つめる。
 それは有り得ない光景。
 カリムの魔法――――預言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)は、最短で半年、最長で数年先の未来を、詩文形式で書き出した預言書の作成を行う事が出来る。
 だが、その発動条件は厳しい。二つの月の魔力がうまく揃わないと発動できないため、ページの作成は年に一度しかできないのだ。
 もちろん今は、そんな時期じゃないし、そもそも魔法を発動させたつもりはない。暴走するほどに制御が難しいわけでもない。
 それらの要素を、目の前の光景は悉く否定していた。
 ――――こんなこと、初めて。
 紙片は狂ったように踊り狂い、やがてそれは一点へと収束していった。幾つもの紙片が重なり合い、山札の一番上に真っさらな紙片が来た。
 やがて光は彩度を失っていき、黒化していく。本来なら有り得ない色。魔力光は本人特有の色しか現さない。それが他の色に変わるなんて、まず無い。おまけにその色は暗黒。全ての色をぶちまけて混ぜたような黒色。
 不吉な現象に不吉な色。そして全ての現象が収束していき――――

 ――――真っさらな紙片に、不吉な予言が書き込まれた。

 「これは――――!?」

 漸く魔力の暴走から解放されたカリムは、それを見て、血の気が引いた。その時ばかりはシャッハも護衛騎士も呼ぶことを忘れていた。何もかもが忘却の果てに飛ぶことを、感情が粒のように泡立ち、消えていくのを感じていた。
 最後に残された、その予言書に書かれていた文字。それは――――



 ――――『世界は、滅ぶ』。
 ただそれだけ。ただそれだけの、シンプルな絶望だった。


EP:1

Index of L.O.B