アリス! 子どもじみたおとぎ話をとって
やさしい手でもって子供時代の
夢のつどう地に横たえておくれ
記憶のなぞめいた輪の中
彼方の地でつみ取られた
巡礼たちのしおれた花輪のように

――『不思議の国のアリス』巻頭詩

epilogue
 Alice's Evidence/――――――――


 後日、私は事の一部始終を、報告書にまとめた。
 時計塔の依頼を果たしたこと。久遠寺アリスのこと。ブラック・バレルのこと。……クリスの、こと。
 当事者であるバゼット・フラガ・マクレミッツの報告も加わり、量は相当なものだった。
 それを提出。
 後は、アトラス院の指示を待つだけだ。
 ――――時計塔からの依頼を完遂した今。問題は、持ち出されたブラック・バレルだ。奪った張本人のクリスは持っていなかった。その事実とクリスの言を信じるならば、既に久遠寺アリスに渡ったと思ってもいい。
 思えば、今回の事件は、全てそれが狙いだったのだろう。
 ブラック・バレルの強奪。神殺しの顕現。
 真祖をも屠り、ありとあらゆる神秘――空想具現化――ですら無効化する、黒き銃身。
 それは、恐らく久遠寺アリスの計画にとって、不都合なものなのだろう。
 分からないのは、何故ブラック・バレルのみが狙われたのか、だ。
 確かにそれが神秘であるのならば、世界をも殺してしまうことが出来る最強の幻想殺し。
 だが、対人・対魔術を考えるのならば、もっと使いやすく、強力な概念武装は存在する。
 教会の『胃界教典』に代表されるように、凶悪で強力な武装は、教会・協会両方に、厳重に保管されている。
 なのに、ロンドンで起きた事件では、それら一切に手を付けられていない。これは一体どうしたことか……。
 恐らく彼女の計画にとって、最も警戒すべきモノだからだろう。真祖をも殺しうるソレは、確かに『偽・真祖(デミ・アルテミス)』には脅威だ。私が、クリスとの一戦で証明したように。
 「――――クリス」
 つまり、クリスは、ただブラック・バレルを奪うためだけに、久遠寺アリスに利用されたということになる。
 遣る瀬無い怒りが込み上げる。
 確かにクリスの異常に気付かなかった、私が全ての元凶かもしれない。長年、常に一緒にいたのに、欠片も気付かなかった私の。
 だけど。
 だけれども。
 ――――どうしても、久遠寺アリスのことは、許せない。
 分かっている。これは八つ当たりに近い。
 こんな感情は初めてだ。やり場の無い殺意。憤激。憎悪。それらは渾然一体となって、私の胸のうちに溜まる。
 私は思う。
 ブラック・バレルのためだけに、彼女をあんな化け物にしたというのなら――――彼女の生きた意味とは……彼女が死んだ意味とは、何だったのだろうか、と。
 それが許せない。
 彼女の存在を、ただの道具として利用したことが――何よりも許せない。

 取り戻せないモノはあるけど。
 この手に残ったのは貴女を殺したという事実だけだけど。
 ――――それでも失った意味だけはあったと。そう思いたい。
 だから。
 それ故に。
 私は、久遠寺アリスを――このままになんて、したくない。しておけない。

 ふと空を見上げる。
 志貴、私も彼女を追う理由が、出来たよ――――

 シオンは呆と、部屋の天井を見つめていた。
 今、自分がやれる全ての仕事を終え、後はアトラス院の指示を仰ぐことだけだ。
 研究をしようとしても、アトラス院から謹慎を命じられている身では、それも間々ならない。
 謹慎。
 それが今回のシオンへの処罰だった。
 無理も無い。助手であるクリスが『偽・真祖《デミ・アルテミス》』になり、あまつさえブラック・バレルを強奪したのだ。
 助手が罪を犯したというのならば。それはその助手を取った本人にも責任があるのは、魔術師の世界でも普通の社会でも同じだ。
 一ヶ月間の謹慎で済んだのは、むしろ僥倖だろう。追い出されても文句は言えないのだが、アトラスとて優秀な錬金術師を手放すつもりは無かった。
 アトラシア≠フ名は伊達ではない。
 だから、それについて、シオンは何か言うつもりはない。
 ただ、こうして何もしないでいると。
 ――――どうしても、思い出してしまう。あの夜のことを。
 「ふぅ――――」
 掌を見つめる。
 最早、クリスの暖かさは覚えていない。
 零れたものは取り戻せなく、手に残ったのは空しさと――――銃の冷たい重みだけ。
 クリスを殺したこと。親しい人を殺したこと。人間を殺したこと。引鉄を引いたこと。
 軋む。心が軋む。
 単純に――人を殺したという事実が、こんなにも重い。
 シオンとて理解している。
 これが魔術師の世界なのだと。死と殺人が、常に寄り添う、深淵の業が滾る暗黒の世界だと。
 だけども、理解していたとしても、この手に実感として残ったのは初めてだった。
 人を殺すこと――それがどんなに重いことか。初めてシオンは理解できた気がした。
 「こんなことを、貴方は繰り返してきたのですか……志貴」
 殺人貴。
 その字に込められた意味。
 何人も何人も殺してきた、と言ってた。その重みはどれほどのものか。
 一人殺して、これだ。
 この虚脱感。これを彼は何度も何度も――繰り返してきたというのか。
 ならば、志貴が、ああも変わってしまったのは、当たり前のことかもしれない。
 そう、シオンは思った。
 「……今、貴方はどこで何をやってるのですか……」
 志貴は、もう此処にはいない。
 最後に口論したあの晩を最後に、彼は再び姿を消した。
 口論。
 そんな短い単語が、頭を過ぎる。
 (あのとき……確かに、私は何も判っていなかった……)
 人を殺してしまった今なら、判る。
 業を背負うという意味。血で塗れた両手。引いてしまった引鉄。
 汚れてしまった、この身体。
 (――――確かに、戻れない。あんなにも暖かい、場所には……)
 秋葉に会う度。琥珀に会う度。翡翠に会う度。
 シオンは思い出してしまうだろう。
 引鉄を引いた夜のことを。
 志貴ならば、なおさらだ。恐らく秋葉の顔を思い出すことすら苦痛な筈だ。
 背負った十字架は重く、一生自らの背に圧し掛かる。
 重くて、重くて、自らが潰れてしまうほどの、業。
 それでも――彼は歩く。ただ唯の目的のために、這いずる様に歩く。
 だから擦り切れた。そうして磨耗した。
 もう戻れない。
 故に捨てる。
 単純なことだ。背負った重さに耐え切れないのなら、それ以外を切り捨てることしか身を軽くする方法は無い。
 ――――だから、遠野≠ニいう名を捨て、七夜≠名乗ったのだ。
 そんなことしか彼には、出来なかったのだろう。
 生きるためには。生きていくためには。
 そうするしか無かった。
 「志貴――貴方は強いのですね。私は、捨てれない。アトラシア(このな)も、自分の過去も。……貴方との約束、も」
 シオンは膝を抱いた。
 この世の無情を、思う。
 捨てたモノがあって。切り捨てたモノがあって。それらは全部取り戻せることなんか出来なくて。
 (――――だけど)
 だけど、まだ、間に合うかもしれない。
 シオンが志貴のことを捨て切れないように、彼にもまた、捨て切れていないものがある。
 完全に、捨てていたのなら――――
 「切り捨てているというのなら、……――――貴方は何故、あんなにも泣きそうな顔をしていたの……」
 だから、きっと、まだ間に合う。
 志貴はまだ……戻れる筈だ。
 そのために自分が出来ることは、何だ。
 こうして部屋に縮こまり、膝を抱えて悩んでいるだけか?
 ――――違うだろう。
 き、と目を引き絞る。
 そう。許せないことがあって、自分が望んでいることがあって、それらが全て繋がっているというのなら。
 「ならば――――自分がするべき事は」
 す、と立ち上がる。
 「――――動くことだけだ」
 謹慎など知ったことか。後から、どうとでも言い訳は付く。
 ならば、動け。
 分からないことがあっても、行き先が分からなくても。
 それでも動かなければ、何も始まらない。望むべき結果は動くことでしか、得られないのだ。
 そもそも。
 (……私が黙って、部屋に閉じこもっているタマですか)
 ふ、と自嘲し。
 その足は玄関を目指していた。
 「さぁ、待っていなさい、志貴。――――すぐにでも追いついてあげましょう……!!」

 シオン・エルトナム・アトラシアが、不敵に哂った。

 こつん、と空港のロビーに立っているのは、バゼット・フラガ・マクレミッツだ。
 その手にはロンドン行きのチケットが握られている。
 エジプトでの事件が解決した今、アトラスに残っている理由は無い。
 (見届けましたよ、錬金術師。貴女の、選択を……)
 月に向かって慟哭していたシオンを思い出す。
 あれが、人を殺すということ。その代価。
 バゼットも最初に人を殺したときは、その重みに耐え切れず、吐瀉物を吐き散らし、失語症になりかけた。
 「――――いずれ、慣れますよ」
 ふ、と自嘲し、すぐに思考を切り替える。
 時計塔に報告することはたくさんあった。
 久遠寺アリスのこと。『否定(ニアウト)』の弾丸。クリストファー・クリスティのこと。
 ――――七夜志貴のことも。
 (魔術師でもない人間が……この私と)
 ぶるり、と身が震えた。
 あの夜の戦闘を思い出す。
 アレは極上だった。自身の攻撃力を知っていながら、恐怖を微塵も感じせずに、真正面から突っ込んできた人間。
 バゼットは、特に戦闘が好きなわけじゃない。
 バトルマニアなんていう狂人ではない。
 だけども――一人の武人として、身が震えた。それは、武者震いと呼ばれるモノ。
 「……遠野志貴。私は、貴方と、もう一度闘いたい――――」
 あの夜の、決着を。
 その手には昨日のロンドン行きの乗客名簿が握られている。
 ――――くしゃくしゃに握り締められたソレに、SHIKI≠ニ、そう綴られていた。

  * * *

 ――――七夜志貴のナイフは、久遠寺アリスの点≠貫いた。

 手ごたえは完璧。
 久遠寺アリスは、その身体を崩壊させ――――

 ニィ、と邪悪に笑った。

 「!?」
 志貴の目が見開く。
 アリスの身体に、罅が入る。普通死の点を突かれたモノは、人間ならそのまま死に、それ以外なら砂に還る。だが、今久遠寺アリスの身体は、そのどれもに当てはめられない。
 罅の隙間から、光が溢れ――――
 「――――――――っ!!!!」
 レンが声無き叫びを上げる。
 「くっ――――」
 何かを察したのか、志貴は急いでその身をアリスから遠ざけようと――――

 「――――残念。間に合わない」

 ――――久遠寺アリスの身体が、爆散、炸裂した。
 夜空、オベリスクが、火花に照らされ、轟音に揺れる。
 志貴は爆煙の軌跡を残し、地面へと叩きつけられた。
 レンが駆け寄ってくる。
 「が――――は、あ」
 ずず、と微かに横倒しになった体が動く。
 その身体は、裂傷と火傷と打撲に塗れている。
 レンが慌てて、治癒の魔術をかける中、志貴は自身の愚策を悟った。
 (ち――――ダミーかよ。殺すのに集中しすぎて、そんなことにも気付かなかったなんてな)
 考えれば、すぐに分かったことだ。
 全く歯応えのない久遠寺アリス。挑発的な言動。何もかもが今までと違いすぎる。
 「あははははは、やっぱり引っかかったようね。志貴君」
 姿は見えず、声だけが甲高く響く。
 これは恐らく魔術だろう。ダミーが爆発したときに発動する、一種のテープレコーダー。
 「スイッチが切り替わった貴方は単純すぎる。目の前の相手を殺すことしか考えない。ま、その故の『殺人貴』なのかもしれないけど……実に簡単に誘導できる」
 (ち、言ってろ)
 レンが治癒魔術を掛けてくれているが、傷は深すぎる。目前で炸裂した爆弾は、志貴に致命傷に近い深手を負わせていた。
 戦闘どころか動くのも間々ならない。
 (……失態だ。理性を以って殺しあう。それが俺の戦闘のはずなのに……)
 声だけが響く。
 「本当の私を殺したいのなら――ロンドンへお出でなさい。演劇の舞台に。その間に精々、傷を治しておくことね」
 (ロンドン……)
 確かにこの怪我では動けない。動くにしても、一ヶ月はかかるだろう。
 しかし、何故わざわざロンドンへ来い≠ネどというのだろうか。
 志貴は思い出す。シオンの自分の行動は久遠寺アリスの計画の内に含まれているという言葉を。
 なら、これも久遠寺アリスの計画のうちか。
 「じゃあね、志貴君。三ヵ月後の赤い月の夜に、また逢いましょう――――」
 しかも時間指定まで。
 (赤い月の夜――最もマナが濃くなる、吸血鬼の夜)
 何かを企んでいるのは間違いないだろう。
 ――――関係ねぇよ。
 あはははは、と笑い声を夜に残響させながら、消えていった。
 「お前の、その余裕――――必ず、後悔させてや……る」
 月に吼えるように。
 ギリ、と奥歯を噛み締めながら、志貴の意識は闇に落ちた。


 かくて役者は揃い、舞台はロンドンへ。
 赤い月の夜。
 喜劇と悲劇の幕が、今、上がる――――――――

 

.......to be continued

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E N D I N G
 ――――――――――/They told me you had been to he


 「――――ええ。貴女は死ぬ。私が殺す」

 私の理想の世界は跡形も無く砕き、先輩が冷酷に死刑宣告を下した。
 いや。
 嫌。
 私はまだ死にたくない。
 先輩に宣告されて初めて――私は、これから死ぬのだと実感した。
 私のニンゲンの部分が、噴火するように死を否定する。
 ただ訳も無く、死にたくない≠ニ、涙が止まらなかった。
 死にたくない死にたくない死にたくない。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
 泣きじゃくる。
 泣きじゃくる。
 先輩なら、いつものように呆れながらも許してくれると、そんな在り得ないことに希望を抱きながら。
 そうして涙の海に溺れていると。
 気付いた。
 ――――先輩の銃を持つ腕が震えて、あまつさえ泣いているということに。
 どうして? どうして、先輩が泣くの?
 駄目。貴女が泣いては駄目。
 物語の主人公は――私のような存在なんかで、涙を流しては駄目なのだ。
 そう。先輩。
 貴女は、私の主人公。私という物語の主人公。
 それは一目見たときから、決まっていた。
 人から疎まれ、それでも、なお自らの道を邁進する。
 孤高。誰にも頼らないで力を追い求める。
 普通の人間では、そんなことは出来ない。人とは孤独の中では生きられないイキモノで、英雄とは孤高にして力を得ることが出来るケモノなのだ。
 彼女は、英雄だった。少なくとも私にとって。
 英雄は順調に物語を進め、アトラシア≠フ名を冠するまでに成長した。
 間違いない。
 シオン先輩は英雄だ。
 人を超え、人の中で生きる、英雄だ。
 物語の主人公たる資質を持つ英雄なのだ。
 だから、近づきたかった。そうすれば、何も出来ない私でも、物語の脇役くらいにはなれると。
 そう、私達は対立存在。
 何でも出きる英雄と。
 何も出来ない人間と。
 その在り方は対極。生まれたときから、既に存在そのものが違う、交わらない存在同士なのだ。
 私は不器用で何も為せない存在で。
 彼女は何もかもを為すことが出きる存在なのだ。
 ――――その物語の途中で、どんな悲劇が待っていたとしても。
 そう。往々にして主人公とは、何かしらの悲劇を負うものだ。
 その点においても、シオン・エルトナム・アトラシアという存在は完璧だった。
 ワラキアの夜。全滅した教会の騎士団。人の皮と血の川。すすり泣く吸血鬼。独りだけ助かったという奇跡。
 その身をワラキアに囚われながらも、懸命に生きる、その姿は。
 正しく英雄たる主人公。その人生は、まるで良く出来た物語を読んでいるよう。
 そうして訪れる逆転の時。
 ――――四年前の『ワラキアの夜事件』
 主人公は遂にヒロインと出会い、強大なる敵を打ち倒した。
 ああ――だから。
 だから、貴女は、こんなところで泣いては駄目。
 私という矮小な存在のために流される涙など無い。
 もっともっと、強大で巨大で、身も震えるような展開で、初めて流される涙なのだ。
 だから――――

 そこで気付いた。
 その事実に身が震えた。
 ――――――――今、英雄(しゅじんこう)が涙を流しているというのなら、今がその展開(とき)なのではないだろうか、と。

 そっか。
 そういうことか。
 ああ、なら私は、此処で殺されよう。
 それで彼女が、更なる成長を得るのならば――私は此処で殺されなければならない。
 私が『偽・真祖(デミ・アルテミス)』になったのも。先輩と戦ったのも。
 きっと、何も出来ない私が、生まれてきたのは――――
 ――――全て。今、この瞬間のために。
 撃って。
 先輩。
 自らの意思で、その引鉄を引いて。
 私は、そのために生まれたのだから。
 私は。
 私。
 私は――――――――

 「――――私、シオン先輩のことが好きです」

 ――――私を、殺して。

 「――――ああ、私も、クリスのことが、好きだ」

 だん。
 銃声が一つ。

 ――――ああ。漸く、私は。
 物語(せんぱい)の、脇役になれた――――

 崩壊していく身体。
 霞んでいく意識。
 意味が亡くなっていく存在。
 その最中――――先輩の泣き笑いが、見えた。
 私の意識は消えていく。
 消えていく。
 私の望みは果たされた。
 最早、何も思うことなんか無い。
 思うことなんか、無いのに――――
 消えていく僅かな刹那。一瞬だけ。
 先輩の悲しげな顔だけが、何故か、ちらついた。
 全てが闇に落ちていく中、微かに残った人間(わたし)は。

 ――――ごめんね、先輩。

 辛い思いをさせて御免なさい、と。
 何故か、そう口にした。



 主人公を夢見。だけど決してなれなかった女が消えていく。
 憧れた英雄を、この眼に収めながら、脇役として散っていく。
 だけども、結局。彼女は気付けない。
 最後に口にした謝罪は英雄なんかではない、ただ一人の存在を思って、口にしたということを。
 悲しい顔が辛くて。そんな顔をさせた自分が許せなくて。純粋にそれだけを思って。思ってしまって。
 だから、謝ったのだと。
 ――――二つの対立存在は、確かに交わったのだと。
 彼女は、意識が事切れる瞬間まで、気付かなかった。

 きっと、それも取り戻せないモノの一つ。
 誰一人として――彼女本人すら気付かなかったソレは。
 夜。月光の中に、ただ溶けていった。


――――『対立存在』 <了>

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